単線結線図とは
単線結線図(たんせんけっせんず)は、電気設備の機器と機器のつながりを1本の線で表した図面です。 英語では Single Line Diagram(SLD) や One Line Diagram と呼ばれます。 実際の三相回路は3本の電線で構成されますが、単線結線図では3本をまとめて1本の線として描きます。
線の本数を省く代わりに、系統の構成がはっきり見えるのが特徴です。 どこから電気が入ってきて、どの開閉器を通り、どの変圧器で電圧を下げ、どの負荷へ向かうのか。 この流れを1枚で把握するために使われます。
- キュービクル(高圧受電設備)の設計・製作図面
- 電気主任技術者による保安管理・点検記録
- 保護継電器の整定値の検討、保護協調の確認
- 電力会社への申請図書、太陽光発電などの系統連系協議
- 事故時の切り分け、停電範囲の判断
複線図・展開接続図との違い
よく混同されるのが複線図です。両者は「何を伝えたいか」が違います。
| 単線結線図 | 複線図 | |
|---|---|---|
| 線の描き方 | 三相3線を1本にまとめる | 電線を1本ずつ描く |
| わかること | 機器の接続順序、系統の構成 | 実際の結線、極性、渡り線 |
| 主な用途 | 受変電設備の設計・保安管理 | 屋内配線の施工、電気工事士試験 |
| 図面の規模 | 設備全体を1枚に収めやすい | 線が多く、範囲が限られる |
つまり単線結線図は「全体を俯瞰する図」、複線図は「実際に結線するための図」です。 高圧受電設備で単線結線図が使われるのは、機器数が多く、複線で描くと線が交錯して系統が読めなくなるためです。
展開接続図・系統図との関係
受変電設備の図面には、単線結線図のほかに展開接続図(シーケンス図)があります。 単線結線図が主回路の構成を示すのに対し、展開接続図は継電器・遮断器の制御回路を、 動作の順序がわかるように展開して描いたものです。 「どの機器がどう並んでいるか」を見るなら単線結線図、「地絡時にどの接点が動いて遮断器が引き外されるか」を追うなら展開接続図、という使い分けになります。
系統図は電力の供給経路を示す図の総称で、受変電設備を対象にした系統図は、実質的に単線結線図と同じものを指すことが多い言葉です。 一方、建物の幹線をまとめた「幹線系統図」のように、低圧側の配電経路を表す図を指す場合もあります。
高圧受電設備の単線結線図(全体図)
次の図は、PF・S形の高圧受電設備を単線結線図で表したものです。 電力会社の配電線から引き込み、計量し、開閉・保護を経て、変圧器で低圧に落とすまでが1枚に収まっています。 以降の解説は、この図を上から順に追う形で進めます。
図:PF・S形 高圧受電設備の単線結線図の例(スマート単線図で作成)。上から 引込 → PAS → ケーブルヘッド → VCT・電力量計 → 避雷器 → PF付LBS(主遮断装置)→ CT・電流計 → 母線 → 変圧器 の順に並んでいます。
単線結線図を上から順に読む
単線結線図は上から下へ、電源側から負荷側へ読みます。図の一番上が電力会社からの引込、一番下が負荷です。 高圧受電設備では、おおむね次の順番で機器が並びます。
① 引込と責任分界点
高圧受電は、契約電力が大きい施設で使われる受電方式です。配電線から 6.6kV を引き込み、 構内で低圧に変換して使います。図の最上部にある引込の記号が出発点です。
② 区分開閉器(PAS・UGS)
引込のすぐ下にあるのが区分開閉器です。架空引込なら PAS(高圧気中負荷開閉器)、 地中引込なら UGS を使います。地絡継電器と組み合わせることで、 構内で起きた地絡事故を電力会社の配電線側へ波及させない役割を持ちます。 図の「SOG(DGR)付」という注記がこれを表しています。
③ ケーブルヘッドと計量装置
ケーブルヘッド(CH)は高圧ケーブルの終端部です。その下の VCT と 電力量計(Wh) が 電気料金の計量装置にあたります。VCTで高電圧・大電流を計器用の大きさに変換し、電力量計へ送ります。 図では VCT から右方向へ細い線が伸び、Wh につながっています。この細い線は計器用の二次回路で、 主回路(太い線)と区別して描かれます。
④ 避雷器(LA)
避雷器は、雷による異常電圧が侵入したときに、それを大地へ逃がして機器を守ります。 通常時は絶縁体として働き、異常電圧がかかったときだけ導通します。図の右側、主回路から分岐した位置にあります。
⑤ 主遮断装置
主遮断装置は受電設備の心臓部で、事故が起きたときに回路を切り離す機器です。 図の例では PF付LBS(PF・S形)を使っています。詳しくは次章で説明します。
⑥ 計器用変成器と指示計器
高圧をそのまま計器に入れることはできないため、CT(変流器)とVT(計器用変圧器)で 扱える大きさに変換します。図の「100/5A」は、主回路に100A流れたときに二次側へ5A流れることを意味します。 変換された電流・電圧が、電流計(A)や電圧計(V)、そして保護継電器へ送られます。
⑦ 母線と変圧器
主遮断装置を通った電気は母線に入り、そこから各回路へ分岐します。 図では母線から2方向に分かれ、片方が計器用のVT回路、もう片方が変圧器へ向かっています。 変圧器は二重の円で表し、6.6kVを210V/105Vなどの低圧に落とします。 単相変圧器は電灯回路、三相変圧器は動力回路に使われるのが一般的です。
⑧ 力率改善設備
規模の大きい設備では、母線に高圧進相コンデンサ(SC)を接続して力率を改善します。 このとき直列リアクトル(SR)を必ずコンデンサと直列に入れます。 投入時の突入電流と、高調波による過電流を抑えるためです。
主遮断装置の選び方(PF・S形とCB形)
高圧受電設備の主遮断装置には、大きく2つの形式があります。どちらを選ぶかは受電設備の容量で決まります。
| PF・S形 | CB形 | |
|---|---|---|
| 構成 | 限流ヒューズ(PF)+高圧交流負荷開閉器(LBS) | 遮断器(VCBなど)+保護継電器 |
| 適用容量 | 受電設備容量 300kVA以下 | 容量の制限なし |
| 短絡の遮断 | ヒューズが溶断して遮断 | 継電器が検出し遮断器が動作 |
| 事故後の復旧 | ヒューズの交換が必要 | 投入操作で復旧できる |
| コスト | 安い | 高い |
限流ヒューズは短絡電流を高速に遮断できますが、1相だけ溶断すると欠相運転になります。 また溶断したヒューズは交換しなければ復旧できません。 小容量で経済性を優先する設備に向いた方式です。
本ページの全体図は PF・S形の例です。CB形の場合、PF付LBSの位置に VCB(真空遮断器)が入り、 そこへ OCR(過電流継電器)が組み合わされます。
保護継電器の役割
単線結線図には、機器だけでなく保護継電器も描かれます。継電器は事故を検出し、遮断器に動作指令を出す装置です。 箱の中の記号や、かっこ内の数字(装置番号:過電流継電器なら 51、地絡方向継電器なら 67)で種類を見分けます。 番号ごとの名称・略号・検出内容は 保護継電器の装置番号一覧 にまとめています。
とくに重要なのが地絡保護です。構内で地絡が起きたとき、自分の設備だけを切り離さなければ、 電力会社の配電線が停止して周囲一帯が停電します(波及事故)。 これを防ぐため、区分開閉器に地絡継電器を組み合わせます。
GR(地絡継電器)は零相電流だけを見るため、構外の事故でも動作してしまうこと(もらい事故)があります。 DGR(地絡方向継電器)は零相電圧も併せて見て事故の方向を判別するため、 構内の地絡だけを選んで動作します。ケーブルが長い設備ではDGRが必要になります。
図記号の見方
単線結線図の機器は、JIS C 0617(電気用図記号)に定められた図記号で描きます。 記号のとなりには文字記号(VCB、LBS、PAS など)と定格を添えるのが一般的です。
開閉器の仲間は、接点の上に付く印で種類を見分けられます。この違いが読めると、図がぐっと読みやすくなります。
受電・遮断・計器・保護継電器から太陽光の系統連系機器まで、135記号を 記号・正式名称・用途・装置番号つきで一覧にまとめています。 略号(VCB)でも、正式名称(真空遮断器)でも、装置番号(51)でも検索できます。
線種・点線・黒丸・二重丸・三角の意味(図の約束事)
単線結線図には、記号そのもの以外にも「線の太さ」「点線」「丸」「三角」といった約束事があります。 初めて図を見る人がつまずくのはここなので、まとめておきます。図面ごとに凡例があればそちらが優先です。
| 表現 | 意味 | 補足 |
|---|---|---|
| 太い実線 | 主回路(電力が流れる高圧・低圧の回路) | 引込から変圧器・負荷までの本線。母線も太線 |
| 細い実線 | 二次回路・制御線(CT・VT から計器・継電器へ、継電器から遮断器の引き外しへ) | 細線の先に A・V・Wh・OCR などがある |
| 点線(破線) | ①盤・キュービクルの枠(どの盤に収まるか) ②機械的な連動・インターロック(遮断器と断路器の連動など) ③別途工事・将来設備・図面の範囲外 | 責任分界点をはさんで電力会社側を点線で示すこともある |
| 黒丸(●) | 接続点。線と線がつながっている所 | 交差しているだけでつながらない所には黒丸を付けない |
| 白丸(○) | 端子・接続口、または計器(円の中に A・V・W・cosφ) | 開閉器の接点の端にも小さな丸が付く |
| 二重の円(◎・2つの円) | 変圧器・計器用変圧器(VT)。2つの巻線を2つの円で表す | 円の中の △ はΔ(デルタ)結線、Y はスター結線。上が一次、下が二次 |
| 三角(△) | 変圧器の Δ結線。単独では電源の向きや区分を示すこともある | 逆向きの三角を重ねた記号は避雷器ではなく、凡例で確認する |
| ×印 | 遮断器の接点(VCB・MCCB など) | 斜線だけなら開閉器(DS・LBS)、四角に線が貫通ならヒューズ |
| 三本線が短くなる記号 | 接地(アース) | 変圧器二次側の中性点、避雷器、盤の接地に付く |
| 矢印 | 継電器の方向性(DGR の Io→、RPR の P←)、または電源・潮流の向き | 矢印の向きが逆だと保護が働かないので設計で必ず確認する |
| 数字 | 装置番号(51・67・64…)、定格(6.6kV・3φ3W・100kVA)、連絡端子の番号 | 装置番号の意味は 装置番号一覧 |
線の太さと丸の有無だけで「どこが主回路で、どこから計器へ枝分かれしているか」が読めるようになります。 記号の形そのものは 記号一覧(135種) で確認してください。
単線結線図の書き方・作り方
単線結線図は上から下へ、電気の流れる順に描くのが基本です。 引込(電源側)を最上部に置き、区分開閉器 → ケーブルヘッド → 計器 → 主遮断装置 → 変圧器 → 低圧側の分岐、という順に下へ展開します。分岐は左右に振り分け、同じ役割の機器は高さを揃えると系統が読みやすくなります。 機器記号のそばには、文字記号(VCB・LBS など)と定格・容量を添えます。
作図の方法は主に3つあります。
| 方法 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 手描き | 道具が要らない | 修正に弱い。清書に時間がかかる |
| 汎用CAD | 自由度が高い。既存図面を流用できる | 記号を1つずつ描く必要がある。習得に時間がかかる |
| 専用ツール | 記号が用意済み。結線が追従する | ツールの構成に合わない図面もある |
初心者の勉強方法・読めるようになるには
単線結線図は、記号を丸暗記するより「上から順に読む → 略号を引く → 自分で1枚作る」の順で慣れるのが早道です。 実務でも試験でも、次の順番で進めると1〜2週間で一通り読めるようになります。
- 上から順に読む練習:全体図 を、引込 → PAS → CH → VCT → LA → 主遮断装置 → 母線 → 変圧器 → 負荷、と声に出して追う。まず順序だけ
- 略号を15個だけ覚える:PAS・VCT・LA・DS・VCB・LBS・PF・CT・VT・ZCT・OCR・DGR・OVGR・Tr・SC/SR。これで受電設備の図の8割は読めます。意味は 略号の早見表
- 装置番号を覚える:51(過電流)・67(地絡方向)・64(地絡過電圧)・27(不足電圧)・59(過電圧)。装置番号一覧
- 機器の役割を言えるようにする:「なぜ LA は VCB の電源側にあるのか」「なぜ SC の前に SR があるのか」。主要機器の役割一覧 と サンプル集の解説 を読む
- 自分で1枚作る:スマート単線図 で PF・S形の最小構成を自動作成し、変圧器を1台足す、SC を足す、CB形に変える、と手を動かす。図が「なぜそうなるか」が体で分かります
- 現場と照合する:手元のキュービクルの単線結線図と、盤の中の銘板(型式・定格)を突き合わせる。図と実物が一致する感覚がつくと読み間違いが減ります
練習問題(3問)
答えは サンプル集 の図を見ながら確認してください。
答:主遮断装置の記号です。PF付LBS(ヒューズ付きの開閉器)なら PF・S形、VCB(×印の遮断器)と OCR(51)の組み合わせなら CB形です。
答:構内で地絡が起きたとき、方向を判定して PAS を開放し、電力会社の配電線へ事故を波及させないためです(地絡方向継電器・67)。
答:CT の二次回路です。主回路の電流を CT で小さな電流に変換し、過電流継電器に流して監視しています。
資格との関係
第一種電気工事士の筆記試験では高圧受電設備の単線結線図を読み取る問題が毎回出題され、電験三種(電力・法規)でも受電設備の構成や保護協調が問われます。 電気主任技術者・電気管理技術者の実務では、年次点検の報告や停電作業の計画の台紙として毎回使います。 規程の根拠は「高圧受電設備規程(日本電気協会)」で、主遮断装置の形式と容量の関係(PF・S形は300kVA以下 など)はここで定められています。
受電方式別の単線結線図(例)
単線結線図の見た目を決めるのは、主遮断装置の形式(PF・S形かCB形か)、母線から分岐する系統の数、そして発電設備の有無です。 受電部(引込からVCBまで)はどの設備でもほぼ共通で、違いは母線より下に現れます。代表的な9種類の実例を 受電方式別サンプル集 に掲載しています。
| 例 | 主遮断装置 | 特徴 |
|---|---|---|
| PF・S形 最小構成 | PF付LBS | 変圧器1台。小規模設備でもっとも簡素 |
| CB形 標準構成 | VCB+OCR | 変圧器2台+進相コンデンサ。工場・ビルの標準 |
| CB形 3系統 | VCB+OCR | 電灯2台+動力1台+SC |
| CB形 実設計詳細 | VCB+OCR+UVR | 計器盤・継電器盤・責任分界点まで含む申請図相当 |
| 高圧電気室 多系統 | VCB+OCR | 変圧器5台。母線から6系統に分岐 |
| 自家消費型 太陽光 | VCB+OCR+系統連系保護 | PCS・連系用変圧器・RPR(逆潮流防止) |
| 太陽光+蓄電池 | 同上 | 蓄電池用PCSを並列、自立運転付き |
| 非常用発電機 | VCB+OCR、発電機側52G | UVRで停電検出、ATSで非常用母線を切替 |
| 常用発電機 系統連系 | VCB+OCR+同期検定25 | 系統と並列運転。解列用継電器一式 |
主要機器の役割一覧(引込から負荷まで)
単線結線図に現れる機器を、上流から下流の順に並べました。略号は図面上の表記、記号の形は 記号一覧 で確認できます。
| 機器 | 略号 | 役割 | 図面上の位置 |
|---|---|---|---|
| 区分開閉器 | PAS/UGS | 構内事故を配電線へ波及させない。地絡継電器(GR・DGR)と組む | 引込直後・責任分界点 |
| ケーブルヘッド | CH | 高圧ケーブルの端末処理。引込ケーブルと機器の接続点 | PASの下 |
| 計器用変圧変流器 | VCT | 電力量計用にVTとCTを一体化。電力会社の取引計量 | 受電点付近 |
| 電力量計 | Wh | 取引用の電力量を計量 | VCTの二次側 |
| 断路器 | DS | 無負荷で回路を切り離し、点検時の安全を確保。負荷電流は開閉できない | 主遮断装置の上流 |
| 避雷器 | LA | 雷サージを大地へ逃がし機器を保護。A種接地 | 受電点付近 |
| 負荷開閉器 | LBS | 負荷電流を開閉。限流ヒューズ付きは短絡保護も兼ねる | 主遮断装置(PF・S形)、各系統の入口 |
| 限流ヒューズ | PF | 短絡電流を限流遮断。整定は変えられない | LBSと組み合わせ |
| 真空遮断器 | VCB | 継電器の指令で回路を遮断。CB形の主遮断装置 | 受電部の中心 |
| 変流器 | CT | 大電流を計器・継電器用の小電流に変換 | VCBの直下 |
| 零相変流器 | ZCT | 地絡電流(零相電流)を検出 | PAS付近、主遮断装置付近 |
| 計器用変圧器 | VT | 高圧を計器用の低電圧に変換 | 母線付近 |
| 過電流継電器 | OCR(51) | 過負荷・短絡を検出しVCBを動作 | CTの二次側 |
| 地絡方向継電器 | DGR(67) | 構内の地絡だけを選択検出 | PASのZCT・ZPDの二次側 |
| 母線 | — | 受電した電力を各系統へ分配する太い横線 | VCBの下 |
| 変圧器 | Tr | 高圧を低圧(210V/105V)に変換。電灯は単相、動力は三相 | 母線から分岐した各系統 |
| 直列リアクトル | SR | コンデンサ投入時の突入電流と高調波を抑える(6%) | 進相コンデンサの直前 |
| 進相コンデンサ | SC | 力率を改善し基本料金を下げる | 母線から分岐した系統の末端 |
| 配線用遮断器 | MCCB | 低圧側の分岐回路を過電流から保護 | 変圧器の二次側 |
単線結線図を確認するときの着眼点
設計の確認や保安管理で単線結線図を見るとき、最低限おさえる点をまとめます。
- 受電容量と主遮断装置の形式 — 変圧器容量の合計が300kVAを超えるならCB形(VCB)が必要です。PF・S形で描かれていないか確認します。
- CT比と計器・継電器の定格 — CTの一次電流が最大負荷電流に見合っているか。OCRの整定値はCT比とセットで意味を持ちます。
- 継電器の種類と装置番号 — PASにDGR(67)、主遮断装置にOCR(51)が付いているか。発電設備があれば解列用(27・59・64・81・67P)が揃っているか。
- 変圧器の結線・容量・相数 — 電灯は単相(1φ)、動力は三相(3φ)。結線記号(Δ/Y)と容量が記入されているか。
- 進相コンデンサと直列リアクトル — コンデンサの前に6%の直列リアクトルが入っているか。入っていないと高調波で機器が過熱します。
- 避雷器と接地の種別 — LAとその接地(A種)が受電点付近にあるか。変圧器二次側のB種接地が示されているか。
- 責任分界点と盤の区切り — 電力会社との境界(責任分界点)が明示され、キュービクルや盤の範囲が点線枠で区切られているか。
装置番号(51・67・64…)の意味
継電器のそばに書かれた数字は装置番号(制御器具番号、JEM 1090)で、文字記号と同じ機器を指します。単線結線図によく出る番号は次のとおりです。 全23番号の一覧と、50/51・64/67・27/59 の違いは 装置番号一覧 にまとめました。
| 番号 | 略号 | 名称 | 検出するもの |
|---|---|---|---|
| 27 | UVR | 不足電圧継電器 | 電圧の低下(停電) |
| 50 | — | 瞬時過電流継電器 | 短絡(時限なし) |
| 51 | OCR | 過電流継電器 | 過負荷・短絡(時限あり) |
| 52 | CB・VCB | 交流遮断器 | (遮断器そのもの) |
| 59 | OVR | 過電圧継電器 | 電圧の上昇 |
| 64 | OVGR | 地絡過電圧継電器 | 零相電圧の上昇 |
| 67 | DGR | 地絡方向継電器 | 構内側の地絡 |
| 67P | RPR | 逆電力継電器 | 逆潮流 |
| 81 | UFR・OFR | 周波数継電器 | 周波数の低下・上昇 |
用語集
- 単線結線図(たんせんけっせんず)
- 三相回路を1本の線で表し、機器の接続順序と系統構成を示す図面。スケルトン、単結とも呼ばれます。
- 複線図
- 電線1本ずつを描いた図。実際の結線・極性・渡り線がわかる。屋内配線工事や電気工事士試験で使われます。
- 展開接続図
- 継電器・遮断器の制御回路を動作順に展開した図。シーケンス図とも。
- 主遮断装置
- 受電設備の入口で事故電流を遮断する装置。PF・S形ではPF付LBS、CB形では遮断器(VCB)。
- PF・S形
- 限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(S)を主遮断装置とする方式。おおむね300kVA以下。
- CB形
- 遮断器(CB)と過電流継電器を主遮断装置とする方式。300kVA超。
- 責任分界点
- 電力会社と需要家の保安責任の境界。通常は区分開閉器(PAS)の位置。
- 区分開閉器
- 責任分界点に設ける開閉器。架空引込はPAS、地中引込はUGS。地絡継電器と組み、構内事故の波及を防ぐ。
- 波及事故
- 需要家構内の事故が配電線に及び、他の需要家まで停電させること。DGR付きPASで防ぐ。
- もらい事故
- 他の需要家や配電線側の地絡で、自分の設備の地絡継電器が不要に動作すること。方向判定(DGR)で防ぐ。
- 系統連系
- 太陽光や発電機を電力会社の系統につないで運転すること。系統異常時に解列するための保護継電器が必要。
- 解列(かいれつ)
- 系統連系している発電設備を系統から切り離すこと。
- 逆潮流
- 需要家側から系統側へ電力が流れること。自家消費型ではRPR(67P)で検出して防ぐ。
- 整定(せいてい)
- 継電器の動作電流・動作時間を設定すること。上流と下流で時限差をつけるのが保護協調。
- 保護協調
- 事故点にいちばん近い遮断器だけが動作するよう、継電器の整定を上下流で調整すること。
- 装置番号
- 継電器や機器の種類を表す番号(JEM 1090)。51=過電流継電器、67=地絡方向継電器など。
よくある質問
単線結線図と単線図は同じものですか
ほぼ同じ意味で使われます。「単線図」は複線図と対比した描き方の呼び名、「単線結線図」は受変電設備の系統図としての呼び名、という使い分けをすることが多いです。
細い線と太い線は何が違いますか
太い線が主回路(実際に電力が流れる高圧・低圧の回路)、細い線が計器用の二次回路です。CTやVTから計器・継電器へ向かう線が細く描かれます。
変圧器の二重丸の中にある記号は何ですか
巻線の結線方式を表します。三角がΔ(デルタ)結線、Yがスター結線です。上の円が一次側、下の円が二次側に対応します。
キュービクルの図面も単線結線図ですか
はい。キュービクル式高圧受電設備の系統を表す図面は単線結線図で描かれます。盤ごとの区切りを点線の枠で示すことがあります。
単線結線図は無料で作れますか
作れます。本サイトのスマート単線図はブラウザーで動く無料ツールで、インストールもユーザー登録も不要です。受電方式や変圧器の構成を質問に答えて選ぶと自動で作図され、SVG / PNG / PDF / DXF(Jw_cad で開ける形式)で出力できます。
電気工事士試験で描く単線図とは違うものですか
描き方の考え方は同じですが、対象が違います。試験で扱う単線図は屋内配線を対象にしたもので、それを複線図に書き直す作業が問われます。本記事の単線結線図は高圧受変電設備の系統を表したもので、扱う機器も記号も異なります。
単線結線図はどの向きに描きますか
電源側を上、負荷側を下にして、上から下へ描くのが一般的です。横長の用紙に収めるために左から右へ展開することもありますが、いずれの場合も「電気の流れる順に並べる」という原則は変わりません。
装置番号とは何ですか
継電器や機器の種類を数字で表した記号です。過電流継電器なら51、地絡方向継電器なら67のように決まっています。文字記号と併記されることが多く、どちらでも同じ機器を指します。
単線結線図は英語で何と言いますか
Single Line Diagram(SLD)または One-Line Diagram です。複線図・三線結線図・展開接続図・系統図との違いと英語名は 別ページ にまとめています。
単線結線図の目的は何ですか
受電から負荷までの系統の構成と保護の仕組みを1枚で共有することです。受電申請や保安規程の添付図、年次点検の報告、停電作業の範囲決め、増設の検討など、設備に関わる人全員が同じ図を見て話すための基礎資料になります。
単線結線図のテンプレートや作成ソフトはありますか
受電方式別の テンプレート(無料ダウンロード) と、無料ツール・Excel・Jw_cad・CAD を比べた 作成ソフト比較 を用意しています。
ライセンス・著作権
本ページは設計・保安業務の参考情報であり、正確性・適法性を保証するものではありません。 実施設計・申請図書としての利用は有資格者による確認を前提とします。