装置番号一覧(単線結線図に現れる主なもの)
| 番号 | 記号 | 名称・略号 | 何を検出するか | 単線結線図のどこに現れるか |
|---|---|---|---|---|
| 3 | 操作スイッチ CS |
遮断器や開閉器を手動で入・切する操作用スイッチ。 | 遮断器の脇に制御回路として示すことがあります。 | |
| 25 | 同期検定装置 SY |
発電機を系統へ並列するとき、電圧・周波数・位相が合っていることを確認します。 | 常用発電機の連系用遮断器のそば。 | |
| 27 | 交流不足電圧継電器 UVR |
電圧が整定値を下回ったこと(停電・電圧低下)を検出します。 | 系統連系保護(太陽光・発電機)、停電時の切替。 | |
| 37 | 不足電流継電器 | 電流が整定値を下回ったことを検出します。 | 発電機・電動機回路の保護。 | |
| 43 | 制御回路切替スイッチ 43 |
自動/手動、常用/非常用などの運転モードを切り替えます。 | 非常用発電機のATS周辺。 | |
| 46 | 逆相・不平衡電流継電器 | 三相電流の不平衡や逆相を検出します。 | 大形電動機・発電機の保護。 | |
| 47 | 欠相・逆相電圧継電器 OPR |
欠相や相回転の逆転を検出します。 | 電動機・発電機回路。 | |
| 49 | 温度継電器・過負荷継電器 OLR・THR |
電動機や変圧器の過負荷・温度上昇を検出します。 | 電動機回路、変圧器の温度警報。 | |
| 50 | 短絡選択継電器(瞬時過電流) 50 |
短絡による大電流を時限なしで瞬時に検出します。 | 主遮断装置(VCB)の保護。51と組み合わせ「50/51」と書かれます。 | |
| 51 | 交流過電流継電器 OCR |
過負荷・短絡による過電流を、時限をもって検出します。 | CB形の主遮断装置。CTの二次側に接続。 | |
| 51G | 地絡過電流継電器 OCGR |
零相電流(地絡電流)の大きさで地絡を検出します。 | ZCTの二次側。方向判定のない地絡保護。 | |
| 52 | 交流遮断器 CB・VCB |
継電器の指令で回路を遮断する遮断器そのもの。 | 主遮断装置。図面では「52」の番号で遮断器を指すこともあります。 | |
| 59 | 交流過電圧継電器 OVR |
電圧が整定値を超えたことを検出します。 | 系統連系保護(太陽光・発電機)。 | |
| 63 | 圧力継電器 | 油入変圧器やガス機器の内部圧力の異常を検出します。 | 変圧器の保護・警報。 | |
| 64 | 地絡過電圧継電器 OVGR |
零相電圧(V0)の上昇で地絡を検出します。 | 系統連系保護(解列)、EVT・ZPDの二次側。 | |
| 67 | 地絡方向継電器 DGR |
零相電流と零相電圧の位相から、構内側の地絡だけを選び出して検出します。 | PAS・UGS、主遮断装置。もらい事故での不要動作を防ぎます。 | |
| 67P | 逆電力継電器 RPR |
発電設備から系統へ電力が逆流(逆潮流)したことを検出します。 | 自家消費太陽光・常用発電機の連系点。 | |
| 67S | 短絡方向継電器 DSR |
短絡電流の向きを判別し、事故側だけを遮断します。 | ループ受電・多回線受電。 | |
| 81 | 周波数継電器 UFR・OFR |
系統周波数の低下(81U)・上昇(81O)を検出します。 | 系統連系保護(解列)。 | |
| 86 | ロックアウト継電器 86 |
事故検出後、原因を取り除いて手動復帰するまで再投入を阻止します。 | 保護継電器と遮断器の間。 | |
| 87 | 差動継電器 87T |
変圧器・母線の一次側と二次側の電流差から内部故障を検出します。 | 大容量変圧器(比率差動継電器)。 | |
| 89 | 断路器・負荷開閉器 DS・LBS |
継電器ではなく、開閉器そのものを指す番号です。 | 主遮断装置の上流。図面では「89」と書かれることがあります。 | |
| 96 | 変圧器内部故障検出装置 | ブッフホルツ継電器や衝撃圧力継電器など、変圧器内部の異常を検出します。 | 油入変圧器。 |
番号は JEM 1090 の制御器具番号にもとづく主なものの抜粋です。「51G」「67P」「81U」のような接尾記号は、G=地絡、P=電力、U=低下(Under)、O=上昇(Over)、S=短絡、T=変圧器 を表す実務上の表記です。
よく混同される番号の違い
50 と 51 の違い
50 は時限なしで瞬時に動作する短絡保護、51 は電流の大きさに応じた時限をもつ過電流保護です。CB形の主遮断装置では両方を1台の継電器に収めて「50/51」と書くのが一般的です。
64 と 67 の違い
どちらも地絡保護ですが、見ているものが違います。64(OVGR) は零相電圧の大きさだけを見るので、構内・構外どちらの地絡でも動作します。67(DGR) は零相電圧と零相電流の位相から向きを判別し、構内の地絡だけで動作します。受電点の区分開閉器(PAS)に付けるのは、もらい事故で不要動作しない67です。
OVGR(64)・DGR(67)の結線図と単線結線図での書き方
OVGR(64) は零相電圧だけを入力とするので、結線図では接地形計器用変圧器(EVT)の三次巻線(オープンデルタ)または零相基準入力装置(ZPD)の出力を継電器に引き込みます。DGR(67) はこれに加えて零相変流器(ZCT)からの零相電流が必要で、PASに内蔵されたZCT・ZPDから2入力を受けるのが標準です。
単線結線図では、PASの脇にZCTとZPDを並べ、そこから細線でDGRへ結び、DGRの出力でPASを開放することを示します。系統連系用のOVGRは構内のEVT/ZPDから零相電圧を取り、連系用遮断器(52)を引き外す線を描きます。ZCTは極性(K→L)を電源側から負荷側へ向けて設置しないと方向判定が逆になるので、図にK・Lを注記しておくと施工時の取り違えを防げます。各記号の図形は 記号一覧(継電器)、実際の配置は CB形標準構成の例 を参照してください。
OVGR・RPR の結線図(太陽光・発電機を系統連系するとき)
自家消費型の太陽光や常用発電機を高圧で系統連系するときは、受電点に RPR(逆電力継電器・67P) と OVGR(地絡過電圧継電器・64) を組み合わせて設けます。RPR は受電点の VT と CT から電力の向きを見て、系統側への逆潮流を検出すると発電設備を解列します。OVGR は ZPD(または EVT)の零相電圧で配電線側の地絡を検出し、同じく解列させます。
単線結線図では、受電点の CT・VT・ZPD から各継電器へ制御線を引き、トリップ先の連系用遮断器(52)を点線で示します。実際の配置は 太陽光発電(自家消費型・RPR付き)の例 と 常用発電機の系統連系の例 を参照してください。
27 と 59 の違い
27(UVR) は電圧の低下、59(OVR) は電圧の上昇を検出します。太陽光発電の系統連系保護では、27・59・64・81 を組み合わせて系統異常時に解列します。
52 と 89 は継電器ではない
52 は遮断器、89 は断路器・負荷開閉器そのものを指す番号です。図面で「52」とだけ書かれていれば、それは主遮断装置(VCBなど)を意味します。
装置番号を単線結線図で使うときの書き方
- 継電器の記号(円または矩形)の中か脇に番号を書きます。略号と併記する場合は「OCR 51」「DGR 67」のように並べます。
- 1台で複数の機能を持つ継電器は「50/51」「27/59」のようにスラッシュでつなぎます。
- どのCT・ZCT・VTから信号を受けているかがわかるよう、計器用変成器から継電器へ細い線を引きます。太い線は主回路、細い線は二次回路です。
- 系統連系設備では、解列を担う継電器(27・59・64・81・67P)をまとめて枠で囲み「系統連系保護装置」と注記すると読みやすくなります。
よくある質問
装置番号と略号、どちらを書くべきですか
どちらでも通じますが、電力会社への申請図や保安規程の図面では装置番号を添えるのが慣例です。迷ったら「OCR(51)」のように併記しておけば読み手を選びません。
番号の後ろの G・P・S は何ですか
同じ番号の派生を区別する接尾記号です。51G は地絡過電流、67P は逆電力、67S は短絡方向、87T は変圧器差動を表します。
装置番号は日本独自のものですか
体系は米国のANSI/IEEE C37.2 に由来し、日本では JEM 1090 として整理されています。番号の大半は共通ですが、67P のような表記は日本の実務で定着したものです。